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-詐欺師と口論になる私-
2026年11月01日

先日NHKの番組で「チャルディーニの法則」が紹介されていました。 これは、社会心理学者ロバート・B・チャルディーニが提唱した、人の行動に影響を及ぼす6つの要因とその法則のことで、マーケティングや営業の分野では購買を促進するためにこの法則が使われ、キャンペーンや広告の企画に広く応用されているそうです。
■人の行動に影響を及ぼす6つの要因
①返報性
プレゼントをもらったり親切にしてもらったりすると、お返しをしたいと感じること。
②一貫性
自分の行動や考え方に一貫性を保とうとすること。街で自然保護団体の署名活動に応じた人は、「活動資金を募金して欲しい」という要望にも応じる可能性が高い。
③社会的証明
たとえば閑散としているお店よりも人がたくさんいて賑わっているお店の方が「おいしいはず」「安いはず」と何かしらの価値があると考え、他の人と同じ行動を取ること。
④好意
仲の良い友人や恋人など、好きな相手からおすすめされた商品は買ってみようという気持ちになる。
⑤権威
たとえば自分より偉いと感じる人の判断には従いやすくなること。医者から治療の説明を受けたり薬剤師から薬の説明を受けたりすると無条件に信頼してしまうような心理。
⑥希少性
「限定○○個!」「ランチ限定」「残りわずか」など、少ないものには価値があると思ってしまう心理。
大変、驚きました。というのも、この6つ、自分の中のどこを探してもまったく見当たらないのです。例えば③社会的証明ですが、私は行列ができている食べ物屋さんには絶対に行きません。経験則上、後悔すると分かっているからです。私の法則では行列ができているレストランはまずい、これが真実です。また、⑤権威についても、コロナ騒ぎの時などがそうでしたが、専門家なるものが言っていることにはどうしても疑いの目を向けてしまう。金融投資だって、投資のプロみたいな肩書をかざしている人の言うことは外れる確率が5割を超えているように感じます。5割当たればやはり凄いのではないかと思われる方がいるかもしれませんが、それは例えば、今秋、円高になるか円安になるかという予想をデタラメに言っても5割は当たるのです。それが的中率5割を切るということは、専門家なるものは、何かがズレているということです。
他の4つの要因も、私の行動や思考のパターンには殆ど当てはまらないか、むしろ正反対のものばかり。このチャルディーニなる権威が言うこの法則自体が、やはり私の法則に従い間違えていて、世の多くの人はこのような法則に支配されてはいないのではないかと思われます。
私がなぜ、この6つにまったくあてはまらないのか?それは先天的なものである気もすれば、後天的なものである気もします。私の場合、子供の頃からたしかに流行に取り残されることは極めて多かった。いつの間にか周りの友達がみな何かに夢中になっているのに自分はその存在に気が付かず、また遅ればせながらやってみようとも思わない。そのうち流行も終わってしまう。そういうことがよくありました。
社会に出てからも一時オアシスというワープロが流行り、若手社員はそのテクを競うようになっている中、私はその流れに取り残され将来を強く危惧されました。そのうちオアシスの流行は去り、パソコンブームに変わりました。今度はエクセルやパワーポイントの時代になったわけですが、結局それも碌に取り組まないうちにAI時代になってしまいました。もちろん、AIについても私は極めて冷めた態度をとっております。すべて先天的なものかというと、⑤権威に対する信頼の薄さなどは後天的なものかもしれない。子供の頃から大人、つまり親や先生、親戚の言うことなどあまり正しくないというのは実証的によく感じていました。
この6つの要素は、実はマーケティングや営業の分野だけでなく、今社会問題になっている特殊詐欺でも利用されているとのこと。偽警察官が登場して脅したりすかしたりは⑤権威のひけらかしであり、一度「善処します」と言ってしまったらその後解決金を払わないわけにはいかなくなるという②一貫性を利用しているのだそうです。
へーそうなのか?と認識を新たにしました。
でも、この6要因をまったく持ち合わせない私は特殊詐欺にひっかからないのかというと、実はよくひっかかりかけるのです。先日も、私の保険証が勝手に使われているとかで仙台警察に呼び出されました。それが全く詐欺だとは疑わず「あー、めんどくさいなあ」と思いつつ、「私被害者なんですけど、仙台までいかないとだめですか?」みたいな話をしていると、相手はさかんに「だから、あなたの保険証が不正利用されてるのですよ」とやたらとそこを強調してくる。どうも、警察という権威からこう言われると罪悪感が湧いてくるものなのだそうですが、私には一向にそのような感情は湧いてきません。別に不正利用されたからといって私の医療費負担になるわけではなく痛くもかゆくもありません。
でも、犯人逮捕に協力はすべきであろうというような思いは湧いてくるので「仙台に行くの、今日じゃなきゃだめですかね?」といった対応になってしまいます。
どうもその私の対応が相手の想定とは異なるようで、とにかく「不正利用されたのだ」ということを繰り返します。まったく話が嚙み合わないので、だんだん私はイライラしてきて「だから、あなた何が言いたいんですか?全然、分からないわけですよ。あー、もういいや、今から行くよ仙台。親戚もいるし」と語気を強めてしまいました。そうすると、相手はかなりひるんだようで、「上司と相談する」といって電話を切りました。こちらはさっそく仙台へ出発すべく会社に連絡するなどして「仙台警察」からの折り返し電話を待っているわけですが、いつまで経っても連絡が来ない。
そのうち会社から似たような詐欺事例の記事が送られてきて、そこで初めてあれは詐欺だったと分かるのです。
こちらの詐欺の話については、過去にも書いており、当時の記憶が書き換えられてる部分があるかもしれませんが、そこはご容赦いただきたい。
※過去に書いた詐欺の記事は、今からちょうど2年前に執筆したものでした。
一部記憶に混同がありましたので、当時のレターのリンクを以下に添付いたします。
リアルな会話のやり取りをぜひもう一度ご一読ください。
《保険証詐欺》
https://www.packetfabric.co.jp/news-letter/?p=2154
そのほかにも、特殊詐欺を真に受けて長々と会話を続けたケースが複数あるのですが、どうしても最後は詐欺師と口論になり喧嘩別れになってしまうのです。
この6要件、持っていた方がいいのか悪いのか。微妙な問題ですね。
代表取締役 CEO 奥野 政樹
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