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2026年08月01日

サッカーのワールドカップも終了しました。優勝を目標に掲げていた日本は残念ながら決勝トーナメントの一回戦でブラジルに敗れてしまいました。まあ、それ自体勝負なので勝つこともあれば負けることもあるわけで驚きではないわけですが、もし勝ち進んでいたとしても、その後ノルウェー、イングランド、アルゼンチン、スペインとの対戦が続いたことを考えるといくらなんでも優勝というのは少々気が遠くなる思いがしたのは私だけではないのではないでしょうか?
森保監督も協会関係者も評論家も、専門家はみな口を揃えて「世界も進歩しているが日本も進歩しており、その差は確実に縮まっている」と言っていましたが、どこか自分事だからこその強がりにも聞こえてしまいました。私のような他人事の一ファンの方が客観的に見える部分もあるのではないかと思いますが、差はむしろ開いたように感じてしまいました。4年前の前大会ではドイツとスペインを撃破して、確かに優勝も夢ではないのではないかと感じられるものもありましたが、もしかしたら、これが世界のサッカー大国に火をつけてしまったのではないでしょうか?サッカー名門国のこの4年の進歩は著しいものがあるように感じました。だからこそ、日本が敗退した後も面白かった。私はもう50年近くワールドカップを観ていますが、過去、一番見応えのある大会だったと思います。
進歩とは何か?これは野球以外のチームスポーツには共通していえることだと思うのですが、メンバーがどれだけ複雑に細かく正確に速く連携できるかということではないかと思います。昔のサッカーを観ているとおかしくなるほど遅くてバラバラです。だからこそ、素人にとっては分かり易いという面もあります。今回のワールドカップだと、素人の私でさえ各選手がどこにいて、どこを目指して、どうボールを展開していくのかを2、3手先くらいまでは読みながら見ることになるので、一試合観終わると「ふーっ」と溜息をつきたくなるほど頭が疲れます。
個々の選手の能力という意味では、昔から大きな進歩はないのではないでしょうか?ペレやマラドーナより凄い選手が今いるのかといえば、いないような気もします。また、戦略的にも、特に新しいものはなかった。1974年にオランダがトータル・サッカーという全く新しい戦略で世界を驚かせたようなものはなかったということです。スペインの華麗にパスをつなぎながら、相手の守備のバランスを崩し、右サイドのエースの突破でとどめを刺すやり方はバルセロナFCのやり方ですし、イングランドやフランスの主力3~4人のトライアングル、カルテットの個性と創造で局面を打開するやり方も昔からあります。さらにはアルゼンチンの戦略メッシやノルウェーの戦略ハーランドなど、一人のエースに極端に集約した攻撃スタイルは、むしろメキシコオリンピックにおける日本の戦略釜本を彷彿とさせる復古主義を感じさせました。
しかし、どの戦略を取るにせよ、その完成度が凄かったということでしょう。戦略メッシにしても、アルゼンチンというチームは戦略マラドーナの成功体験からなかなか抜け出せず、メッシというマラドーナの後継者を得て20年前から試みていたわけですが、なかなかうまくいかなかったわけです。若かりしメッシは所属クラブのバルセロナでは、シャビやイニエスタといったスペインサッカーの申し子に囲まれ光を放っていましたが、代表では孤立してかみ合わないことが多かった。それが、今回メッシが39歳になり、動かなくなって、アルゼンチンの戦略メッシは美しすぎるほどに完成していました。とにかく最後にメッシにどうやって得点させる?そこに向けての計算され尽くした他の選手達の連携。この精緻さには進歩というものがまざまざと現れていました。
しかし、サッカーはこんなに進歩するのに、なぜ我々のいる世界は退化するのでしょうか。会社員の世界といいますか、ビジネスの世界といいますか。時が経つとともに、連携は寸断され、各個人が孤立して、適当な言動ばかりを取る傾向がどんどん強くなっています。サッカーの進歩にはおそらくデジタル技術やAIも寄与しているのでしょう。ただ、プレーをするのはあくまでも人間であり、AIにサッカーはできません。しかし、最近我々の世界ではAIにプレーをさせておけばよいのだという風潮さえあります。
サッカーは進歩するのに我々は退化する、その理由。それはサッカーでワールドカップに関わる人達はみな本気であるということなのだろうなと思います。本気になれる理由。それは、この人達はサッカーが大好きなのでしょう。それに対して、我々の世界では、最近、仕事が大好きなどという人はあまりいない。その理由は、仕事から人の連携がなくなってしまったからではないでしょうか。連携しないから進歩しない。進歩しないから連携しない。どちらが鶏で卵か分かりませんが、当社ではやはり、進歩を目指して連携を強化していこうと思います。
代表取締役 CEO 奥野 政樹
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