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即戦力とは?
2025年05月01日
人材紹介会社の方と話していると「即戦力の人材を採用したい」というニーズが企業側で大変高いそうです。過去の業務経験から入社後すぐに活躍できるスキルを持っている人材という意味であるようですが、その割には、「ではどういうスキルも持っていることが必要なのか?」の問いに明確に答えられないケースが多いということ。保有資格を条件にしてくる企業もあれば、必要とされる業務経験を条件としてくる会社もある。中にはとても細かく、必要とされるスキル表を提示してくる企業もあるようですが、資格や業務経験があれば入社後即戦力になるという保証が一体どこにあるのでしょうか?スキルと言いますが、同じ職種でも、職場によってやり方も考え方も違います。これまでの業務経験で獲得したスキルが、別の場所でもそのまま通用するケースはむしろ稀です。更に、往々にして自分は経験者だから優遇されて然るべきだと考えるような人材は、環境が変わってもそれまで培ってきた自分のやり方を変えようとしません。新しいものを吸収しようという意欲が乏しいケースも多いわけです。
そこを面接で見抜かないと、やはり採用は悲劇に終わる確率が大変高くなるわけですが、採用する側も、スキルにこだわってしまうと、どうしてもそのあたりを見抜こうというモチベーションが落ちてしまいます。良いと思って取った人材が、入社後に全然違ったという結果になるリスクが非常に高いのです。そうなると後々採用を決めた人間は非難の的となってしまう可能性が高いわけです。その点、スキルという客観的指標で選んでおけば、失敗しても、「まあ仕方がないね」という評価で済むことが多い。だからスキル重視で客観的な基準に基づいた公平な採用だと関係者が皆で思うことにして、採用は大失敗となるわけです。
私が考える即戦力の人材というのは、スキルを既に持っている人材ではありません。それは既に、「日々決断し、それを行動に移し、アウトプットを出す」という柱がしっかりと立っている人材です。別の言い方をすれば、「決断と行動の数が多く、アウトプットを出すまで諦めない人材」です。決断と行動の数の増やすためには、必然的に、今の自分の持っている能力ではできない事柄にも踏み込むしかありません。そうすれば当然、周囲からの反応を惹起することになります。その反応は必ずしもいつもポジティブなものではありません。いやむしろ、「面倒なことになるからやめろ」というあの手この手の圧力がかかることになることが多いわけです。それでもアウトプットを出さなければ気が済まないわけですから、その周囲からの反応に打ち勝って、その周囲から力を借りなければならない。
こういうことを繰り返している人材は、必然的に直観と洞察力が磨かれ、判断がどんどん早く、的確になっていきます。また、周囲を巻き込む力、つまり対人スキル、いわゆる、リーダーシップと協働性が上がっていきます。そうなれば行動もより速く、的確にできるようになる。そうすればスキルなどというものは想像を絶する早さでいつの間にかついてしまう。あっという間に、高いレベルのアウトプットが出せるようになります。これぞまさしく即戦力というのではないでしょうか。
当社の例でいえば、こういう人材はセールスやマーケティングといった、今一つ必要とされるスキルが明確ではない職種でもすぐ戦力になりますし、法務や経理、エンジニアといった、それなりに求められるスキルが高度に見える職種でも、あっという間にそのスキルを習得します。全くの初心者が、半年でいつの間にかスーパーエンジニアと呼んでもおかしくないレベルになったということも珍しくありません。
しかし決断から行動、そしてアウトプットという柱がしっかりできているかをどのように見抜くのかと疑問に思われる方がいるかもしれませんが、そういう観点から人を見て、何度も失敗しているうちに、それを見抜く感性も、やはり養われてくるわけですね。そもそもそういう柱ができている人間は落ち着きが違います。そのオーラは大体一目でわかるものです。緊張はしていてもソワソワした感じや卑屈な感じがない。堂々と真っ直ぐです。後はその確認ですが、普通の質問に対して、極めて簡潔に答えます。奇をてらった感じがない。更に、ちょっとした宿題を出してみてそれをちゃんとやってくるかを確認すればよい。当社のホームページのここをよく読んで自分の考えをまとめてきてください、みたいな簡単なものです。これをちゃんとやってくるようであればもう、まず間違いありません。
私は随分と採用で失敗をしました。とんでもない人をたくさん採用して、会社を大混乱に陥れた経験は数限りなくあります。その経験を通じて私が会得した即戦力人材採用のスキル。それを少し、自慢させていただきました。
代表取締役 CEO 奥野 政樹
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