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2025年、ロープ際、感覚的見切りの勇気、 パケットファブリック・ジャパン
2025年01月01日
明けましておめでとうございます。
当社のような、知名度もない、大きくもない、親会社のサポートも少ない米国外資系企業が日本で生き残っていくためには、常に背水の陣で闘う覚悟を求められてきたわけですが、近年、新型コロナ禍を経て、日本企業の財布の紐はますます硬くなりますし、米国のいささか度を越えていると思われるドリーム資本主義の軽薄さに振り回されることも多く、ボクシングで言えばロープ際で闘っている感がますます強くなっていきます。それでも、KO負けするわけにはいかない。なんとしても、ロープ際の闘い方を極めていかなければいけない。さて、どのように2025を闘うか。これが今年のスローガンに込めた思いです。
ボクシング史上でロープ際の魔術師という呼び名がピタリと当てはまる華麗なボクサーは何人かいるのですが、私の印象に深く残っているのはやはり何と言ってもフロイド・メイウェザーです。いつもロープとコーナーポストを背負って闘っている印象がありましたが、それでも、一つも悲壮感がない。後ろに下がる余地は全くないのに、とにかく、相手が速射砲のように繰り出してくるパンチは一発も当たらないわけです。
なぜなのかなと不思議ですが、まず大事なことは力が入っていないことかなと思います。「悲壮感がない」と上に書きましたが、焦りや恐れで筋肉が強張っていないから、相手のパンチがどこから飛んできても柔らかくかわす、または防御することができるのでしょう。当社も、まずは焦りと恐れの克服ということが大事になってくるかと思います。ビジネスにおいては、こういう焦りや恐れは総じて、自分一人でなんでもやらなければいけないという切迫感から起きるものです。意識して仲間を信じ、パートナーを信じて頼るということが大切になってくるのだと思います。
次にスキルです。メイウェザーを見ていても、ディフェンス・テクニックが並外れて高い。スポーツでも、囲碁・将棋・麻雀などのゲームでもそうですが、レベルが上がってくると攻撃力より守備力が圧倒的にものを言うようになってくるわけです。ビジネスの世界の中でも我々は極めて高いレベルの中で闘っているわけで、そうなるとやはり守備のスキルというものがとても大切になってきます。それを意識して、当社では最近、守備力を高めるトレーニングも自己開発して実施しています。使う言葉の一つ一つが相手に与える心理的影響なども十分に考慮した上で、先行きについていくつかのオプションを想定しながら、いずれのオプションにもタイムリーかつ適切に対応することを心掛けています。今年はそれを更に強化させていきたいと考えています。
そして、メイウェザーはロープ際という難しい立ち位置でも、自分の感覚を信じて動いていれば、絶対に相手のパンチは当たらないという自信と勇気がその闘いぶりからヒシヒシと感じられます。一度、マニー・パッキャオの想像を絶する強烈なパンチをリング中央でガードの上から撃ち込まれてロープまで吹っ飛ばされるのを見ましたが、そうした不測の事態においては、見栄も外聞もなく、格好悪く、両腕を顔の前に仏壇の扉のように立てて、結局、パッキャオに決定的なパンチを当てさせませんでした。そういうこだわりを捨てて臨機応変に対応する勇気も大切なのでしょう。当社としては、結局今年も原点回帰。くだらねえセオリーにキック・アスし、常識外れのオリジナルを貫くということに尽きると考えています。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
代表取締役 CEO 奥野 政樹
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