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-勉強とは何か?-
2026年04月01日

アンジェラ・アキというシンガーソングライターがいますね。「手紙」という名曲を書いてトップ・アーティストとしての地位を驀進中と思ったら、突然米国に留学するといって消えてしまった。最近、また日本でやってるんですね。なんでも留学中にすごく勉強したらしい。教室の最前列に陣取って教師を質問攻めにしたとか。
私も米国留学経験があるのでよく分かりますが、これ、そう簡単にはできません。凄いなと思うし、尊敬の念が湧いてくる。その猛勉強の結果、留学前はパレット上で5色を必死に組み合わせて曲を作っていた感じだったのが、5色が50色になって、余裕、創造が苦痛ではなくなったのだそうです。なんとなく納得感に溢れる話ではあります。でも、その勉強の成果として「手紙」より人の心を動かせる曲が書けるようになったのかなあ、と思ってしまいました。少なくとも、私の知るところ、そういう曲は世の中に発表されていません。
そう言えば大学のゼミの先生が、我々の卒業時に「お前らが大学で勉強した法律の知識は世の中に出たら糞の役にも立たない。だが…」という贈る言葉をくれました。「だが」の後に、その時はぐっと迫ることを仰っていたのですが、なぜか今は思い出せません。むしろ、法律の知識も結構役立っているんだよなあ、というクリティカル・マインドが頭をもたげてきてしまいます。ただ、確かに私の米国留学にはこの言葉を持っていって、授業の方はそこそこにして、むしろ米国というものを体感することに必死で取り組みました。何をやったのかは長くなるので書きませんが、結構、過激だったと思います。それは、確かに自分の人生に活きました。どう活きたかというと、その過激を凌ぎ切った自分に対する自信。それと、世の中深いのだからどうせそれを分かることはできない、先がどうなるかなど分からないのだからただ必死で凌ぐしかない、凌げば勝ち、凌ぎ切れなければ負け、という感覚。これらを得たことでしょう。つまり 圧倒的自由をGETした感覚です。私にとってはこれが勉強でした。でも、私はビジネスマンで成果をいくらでもごまかせるからこれでOKなどと浮わついた考えでもまだやっていますが、アンジェラさんはアーティストでごまかしはきかないわけで、その5勉強の結果5が50色とかの曖昧な成果で大丈夫なのかなあ、などと考えてしまいました。
私も指導者なので、社員にはいろいろ言うわけです。例えば、まだ若き新入社員に「あなたは『今日の研修はすごく勉強になりました』なんて言うけど、ビジネスマンとしての能力なんて仕事から高められるのはまあ10%くらい。あとの90%は仕事以外からどう学ぶか次第なんだよね。新聞も読まないんじゃ、まあ無理だね。仕事の知識ばかり覚えても糞の役にも立たない。」などと、まあ、ゼミの先生が言ったことと似たようなことを言ったりもします。でも、仕事だし、好きでもあるので、相手がどう思おうが熱心に指導はするわけです。そうすると、やはりこちらにも不満は湧くわけですね。そんなに甘い考えでこの後どうやって生きていくのだろう、って。世の中はどんどん厳しくなっていくのに。だから「そのままだと死ぬよ」なんて厳しいことも言ったりするのですが、そうすると周りから「奥野さん、奴はまだ若いですから」って制御がかかるんですね。「若い?」もう、30歳近いわけですよね。それが勉強とは授業だか研修で知識を吸収することだと思っている。むしろ手遅れなんじゃないかなどと、本心では思ったりもするのですが、果たしてそれが正しいのか、いまだ勉強不足につき分かりません。 手遅れではないと願いたいものです。
代表取締役 CEO 奥野 政樹
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