- イベント・セミナー情報
- EVENT & SEMINAR
2016年9月28日
「シンギュラリティ、その実証的かつ哲学的考察~」セミナー報告
いまや固定ファンや口コミによる参加者も増えてきたPacketFabricのビジネスセミナー。今回は「機械が人間を超える」という点にスポットを当て、1980年代のSF作品で描かれた世界と現在の比較からシンギュラリティ(技術的特異点)の実現性を検証するとともに、その哲学的な意味について考察しました。エンジニアの技術的知識とイマジネーションが融合した他社では見られない講演に、参加者の皆さまからは「ユニークで楽しめる内容だった」という感想を多くいただきました。当日の様子をご紹介いたします。
講演:「“10年前の近未来” -追いついた現実世界の向かう先」
講師:パケットファブリック・ジャパン(株) 技術部 月岡 史明

<講演概要>
- 近未来SFアニメの世界
- ネットに繋がれない環境はほぼなくなった
- 日常に紛れ込んできたヒューマノイド
- 現実となったSFデバイス
- 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
ドローンカメラ/ホバーボード/自動靴紐調整スニーカー - 「I, Robot」
オートパイロットカー(自動運転自動車) - 「機動警察パトレイバー」
モーショントレースマニピュレータ/二足歩行・多足歩行のオートバランサー - 「攻殻機動隊 Ghost In The Shell」
光学迷彩/HMD+ARの組合せデバイス
- SF的世界にどこまで近づいた
- 生活を便利にするデバイスは多いが、生活自体には変化なし
- 人間の能力を拡張するものも特に無し
- 閑話休題 シンギュラリティ(技術的特異点)
- シンギュラリティ≠AIが人間を超越して人類を滅亡させる
- カーツワイル氏の「シンギュラリティの使い方」
- 技術発展が予測不可能になる【特異点】がAI
- 未来では人間と機械の明確な区別がなくなる
- SFアニメ世界に一つだけの嘘 [1] ~セミ特異点的な何か~
- SF要素のある大抵のアニメには一つの大嘘がある
- SFアニメ世界に一つだけの嘘 [2] ~嘘を本当にすると出来上がり~
- 暮らしを変えてくれる大嘘のようなナニかが欲しい!
- 意外とあった夢見れそうな技術 [1] ~不老長寿路線~
- 人工臓器
- 生身を捨てずに不老長寿実現?
- 意外とあった夢見れそうな技術 [2] ~アバター路線~
- BMI技術の市販化
- ヒューマノイド/アンドロイド/ロボット
- 発展するVR技術
- アンドロイドで理想の自分になれる?
- 近未来の社会科
- 特異点となり得る技術に対する社会不安をどう受け入れるか?
講演:「近未来SFの哲学、2016年の現実 ~電気羊の夢を見る~」
講師:パケットファブリック・ジャパン(株) 技術部長 吉川 進滋

<講演概要>
- カーツワイルのシンギュラリティ
- 人間の記憶をコンピュータにアップロード
- 意識の有無に関係なく「本人」は未来永劫存在する
- 人間という知性、その他の「知性」
- 人間「コギト・エルゴ・スム」
- 脳神経模倣~ディープラーニング~
- 知性を持つ別の種が誕生
- 「人間もどき」或いは「ゴーレム」
- 人間と対立するロボット、有名どころ
ブレードランナー/ターミネーター/マトリックス - 2016年時点で
何とか「召使い」レベルに達したばかり
- AIと人間の関係性
- 脳と同様、AIは意識を持てるか?
- 意識ある知性との対話
「トロッコ(トロリー)問題」 - 自動運転車:リアルな「トロッコ問題」
AIに倫理的意識的躊躇は必要か?
- なさそうでありえる未来
- AIが高度知能のため意識を持つと?
<まとめ>
- AIを新しい「種」とするにはまったくもって早いが、人間と同等以上の「知性」を獲得するために意識や人格を必要とするなら、実際に意識や知性を備えるかもしれない。
- また、自身以外の知的存在に対して経験のない人類が、「人間以上だが人間以外の思考能力」に基づくAIの判断を、そのまま受け入れられるかどうかの問題もでてくるだろう。
- それは、結局人間とAIの対立になるかもしれないし、超越したAIと協調する方法を人間が考えるかもしれないし、逆にAIに「優しく」支配される方法になるのかもしれない。
次回セミナーは2016年11月を予定しております。
- イベント・セミナーに関するお問い合わせ
- Tel: 03-5209-2222(午前10時から午後6時まで 土日・祝日を除く。)
E-mail: seminar@packetfabric.co.jp
(担当: 境、宮﨑)