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インターネットとは?~BGPと”最適経路選択”~

2017年07月06日

インターネットは、最早ビジネスや日常生活において欠かせないインフラと言っても過言ではないでしょう。朝起きてから夜寝るまで、いたる所でインターネットを利用している方も多いと思います。スマートフォンやタブレットの普及によって、国内ならだいたいの場所で利用可能になったインターネットですが、実体がどのようになっているか考えたことはありますでしょうか。

インターネットを利用している大多数の方にとって、インターネットは目に見えない空気のようなものかもしれません。今回はインターネットがどのようなものであるかについて、弊社の視点から解説してみます。

まず、インターネットとは、語源の通り相互に接続されたネットワークの集合体です。個々のネットワークはAS(Autonomous System)と呼ばれます。

ASとは統一された通信ポリシーで管理されたネットワークのことです。大抵の企業の場合は自前でASを運用せず、ISPのASの一部としてインターネットを利用する場合が多いので、ASについてはあまり馴染みがない方も多いと思います。

ASを運用する必要があるのは、大規模なネットワークで冗長性を確保するために、2社以上のISPを利用するマルチホーム環境を構築する場合です。AS番号は、JPNICやAPNICなどのRIR(Regional Internet Registry)から取得します。ASの取得には審査があり、マルチホームするなどの明確な理由が必要となります。ASを取得するとIPアドレスの割り当てを受けられますが、1年ごとにASとIPアドレスの維持費を支払う必要があります。

上記のように、ASを取得するにはコストと手間がかかるため、それ相当の理由がない限り取得する必要はありません。

次にAS内の通信ポリシーについてですが、例えばコストの観点からある回線を優先的に利用する、音声通信は優先的に転送するなどのようにAS内の通信をどのように制御するかということです。ある企業が業務用のASを運用している場合に、新しいサービス提供用にネットワークを構築するとします。この場合、既存の業務用ASとは別のASを構築することがあります。その理由としては、業務通信とサービスの通信が混在すると適用するポリシーが複雑になりますし、どちらかの通信によって回線が輻輳すると両方のシステムに影響が出てしまうので、別々のASで異なる通信ポリシーで運用したいということが考えられます。

インターネット、つまりAS間の経路情報の交換は、BGP(Border Gateway Protocol)で行われます。ASを運用する場合はBGPによる経路交換が必須となります。なぜかというと、全てのASでBGPによる経路情報の交換が行われているからです。BGPは経路情報の増加にも対応できるように設計されており、インターネットでは事実上の標準ルーティングプロトコルとなっています。2017年7月現在、インターネット上では64万以上のIPv4経路情報が交換されています。通常マルチホーム環境では、宛先へどの回線からパケットを転送するのかをBGPのベストパス選択アルゴリズムによって決定します。このアルゴリズムでは特にBGPの属性値を変更していない場合、宛先に到達するまでに通るASの数が少ないということを基準に経路を選択します。この基準に従って選択された経路は、遅延やパケットロスなどを考慮していないので通信品質が低下している場合があります。これがインターネットがベストエフォートであると言われる理由の一つです。

以上のように、インターネットについて弊社の事業と関連がある側面から解説してみましたが、いかがでしたでしょうか。少しでも皆様のご参考になれば幸いです。たとえマルチホーム環境でもBGPのベストパス選択アルゴリズムだけに任せていると、単なる経路冗長にしかならず品質に基づいた経路選択ができていないことになります。

弊社のサービスではこのBGPの課題を克服すべく、Route Optimizerという技術を使用し、品質に基づいた“最適経路選択”をリアルタイムで行っています。もし現行のインターネット回線品質にご不満をお持ちであれば、ぜひ弊社のサービスをご検討いただけますと幸いです。

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