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高速ファイル転送サービスとは?その2
2015年07月14日
(前回よりつづく)
<ネットワークと運用>
いいことずくめに聞こえる高速ファイル伝送も、下記考慮して初めて実現できます。
・回線帯域
・回線品質
・インフラ基盤の構築
巨大なファイルを一気に伝送するためには、回線の帯域がその伝送に耐えられる太さが必要です。
細い帯域の回線に大きいファイルデータを無理に送ろうとすると詰まってデータが失われるので、何度もデータを送る必要が出てでてくるためです。品質についても同じことが言えます。TCPでは品質が多少悪い回線でも継続して通信を行える仕組がありますが、UDPにおいては自前で用意したデータ受信の確認がどのように送り手側に届けられるかが勘所です。また、あまり気にしないかもしれませんが、そのような大きいデータを送る時のデータ通信料もバカになりませんし、結局そのような大きいファイルデータをやりとりするためのサーバ構築と運用についても考慮しなければなりません。半年に1、2回程高速伝送するために、1Gの回線とマルチコアのサーバを用意することが効果的なのかどうか、運用コストなども考慮する必要があるのですね。
インターナップなら、すべてクリアです。
* 回線品質 *
高速ファイル転送においてはUDPを使用するため、TCPと異なり回線の品質が通信に大きな影響を与えます。回線はなるべく安定しているものを利用する必要があります。
そこで、宛先ネットワークへの遅延、パケットロス率等に基づく実測値でインターネット上の本当のベスト・ルートを選択する「インテリジェント・ルーティング」が特徴の、当社のインターネット接続回線を利用したところ、回線インフラ側のリスクを最低限に抑えることができました。
* 24時間365日 & 英語対応の監視運用 *
編集作業の時間帯や、海外とのファイル転送なども考えると、ファイル転送を利用する時間帯は平日営業時だけとは限りません。サーバ上のプロセスやサービス状態は、24時間365日で監視する必要があります。サーバはリソース、プロセス監視等様々な方法があり、万が一のサービス異常時にそれらの異常に気付き、いち早く対応することが重要です。また、取引先が海外の場合に発生する英語での問い合わせにも、常時対応できる運用体制が必要です。
<インターナップ・ジャパンの高速ファイル転送サービスへの取り組み>
それらの技術を用いて高速にファイルを転送するための基盤を、サービスとして提供したいというパートナー企業のために、今回インターネット接続導入、サーバ構築と運用に携わりました。ファイル高速転送サービスの基盤を丸ごと、日単位でユーザーに貸し出すサービスです。自社で高速ファイル転送基盤を構築せず、使いたい時にクラウドで転送サービスを利用できます。
恒常的に高速ファイル転送を利用する場合、自社の基盤として構築するのがよいです。導入のコンサルティングサービスも行っておりますので、お声掛けいただければと思います。
★「高速ファイル転送」ソリューションの詳細ページはこちら
<参考:パフォーマンス>
5GBのファイルを、3種類の回線品目でダウンロードしてみました。
100M専用線: 8分26秒(平均77Mbps)
フレッツ100Mベストエフォート: 8分14秒(平均78Mbps)
Nuro 1Gベストエフォート: 3分32秒(平均183Mbps)
フレッツ100Mベストエフォートが100M専用線より早いのは、フレッツ回線の方がクラウド拠点に近いためです。
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